基礎着物力

このあいだ、着付けを一緒に習った同僚が、呉服屋さんの格安2時間着付けレッスンに行って、目からうろこの細々した技を覚えてきたそうなんですが、良く話を聞いてみると、我々が着付けを習っていた時にすでに習っていたことだったり。

同じことを習っているのに、覚えている人と覚えてない人がいて、覚えてない人も、数ヶ月キモノに親しむ生活をした後に着付けレッスンに行くと、コツがすっと体に入っていく。

実は、私は実家に住んでいた20年間は毎年のように、冬はキモノ、夏は浴衣を着ていたのです。キモノは親に着せてもらっていて、ローティーンくらいから浴衣は自分で着ていました。七五三には姉のお下がりのザ・七五三という被布で千歳飴を持ち、成人式には振袖を親が買ってくれて、一度しか着ないのはもったいないからと、独身の時には機会があれば振袖を着ていました。結婚式は白無垢が着たかったので神前。色打掛、振袖とお色直し。すみません、その上ウエディングドレスも着ました。10年前の田舎での式はこんなものだと…。

親から着せつけられているときに、ここを押さえててとか背筋を伸ばせとか、いろいろ厳しく言われていたので、自分で習いだしたときに、先生の言うコツがすんなり納得できたようです。

お祖母さまの素敵なキモノをたくさん頂いている同僚は、子供のころほとんどキモノとふれあわない生活だったそうで、成人式もスーツを誂えたとか。着付けを習いはじめたばかりの時には身に付かなかったコツが、キモノに親しんで数ヶ月たってのレッスンで合点がいったというのは、基礎着物力がアップしたからなんでしょうね。

短期間で一気にキモノにはまったと思っていた私ですが、実は子供のころのキモノとのふれあいが、知らず知らずのうちに基礎トレになっていたんですね。
着付けを習うのに、ひととおり方法を学ぶだけだったら数回のレッスンで済みますが、着付け学校などが半年〜1年かけるのは、そういうことなのかも、と合点がいきました。